【酒】第38回 酒の味もわからないクセに『オールド・パー 12年』の感想。【スコッチ・ウイスキー】

【名称】 Old Parr AGED 12 YEARS(オールド・パー 12年)
【種類】 スコッチ・ウイスキー
【度数】 40%
【生産国】イギリス
【製造】マクドナルド グリンリース社
【輸入販売】MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
     (今回の物は並行輸入品・コルドンヴェール株式会社)


   ■日本で愛され続けるフルーティで甘いスコッチ・ウイスキー

 店でよく見かけるがちょっとお高いウイスキー、オールド・パー。デパートやショッピングモールなんかでは5千円ほどするウイスキーなのだが、いつも酒を物色しに行っているリカーショップで3千円代半ばで置いてあったので、今回はこれを買ってみた。

 オールド・パーは明治に岩倉具視遣欧使節団が日本に紹介した最初のスコッチとされており、明治天皇に献上されたり、文人や政治家など数々の著名人に親しまれてきたという。

 "パー"はラベルにある肖像画の人物トーマス・パーからとったもの。150年生きたと言われる人物らしいが、Wikipediaによると実際はなかなか怪しいところのようだ。ボトルのデザインはトーマス・パーが愛用していた四角い陶器の器を模したものだという。このメロンのような模様は"クラックル・パターン"と呼ばれており、当時の陶器の器のひび割れを再現したものだそうだ。なお、パー老はウイスキーではなくワインを飲むときに使っていたとか。


 さっそく飲んでみようと思うが、今回購入したものは正規輸入品ではなく、並行輸入品のもの。いわゆる玉付きとなっている。キャップを開けると写真のようにプラスチックの蓋がついており、ただ傾けても中身がほぼ出てこない。注ぎ方は別途ラベルが貼ってあるのだが、ビンの底を軽くトントンと叩くと封をしている玉が動いて中身
が出てくるようになる。なんでもこの玉は、外から注ぎ入れることができない構造となっており、まがい物対策となっているんだそうだ。


←傾けるだけではほとんど出てこない




←ボトルを傾け底を軽くトントンと叩くと中の玉が動いて中身が出てくる。










 さて、グラスに注いで香りを確かめてみると、フルーツのように甘く華やかであり、上品さを感じる。口に含むと香りの印象そのままにフルーティな甘みが広がり、辛さやキツさは感じられない。また、スコッチ特有と言われるスモーキーさもさほど感じられない。非常に旨い。独特の甘みはオンザロックにするとさらに際立つ。


■ストレート【Straight】  ■オンザロック【On the Rock】


 ハイボールウイスキー・コーク、スコッチ・ウォーター(水割り)と、定番のロングカクテルも試してみた。ロングカクテルにすると、甘みよりはその中にある酸味の部分が主張し始める。だがほんのわずかに感じられる苦みにも嫌味がなく、非常にスムーズに入っていく。
ハイボール         ■水割り           ■ウイスキーコーク
【Highball】        【Whisky & Water】    【Wisky & Coke】


















カクテルのレシピ本の中からももう3杯ほど。

■カリフォルニア・レモネード【California Lemonade】
【材料】
ウイスキー・・・45ml
モンジュース・・・20ml
ライムジュース・・・10ml
グレナデンシロップ・・・1tsp.
砂糖・・・1tsp.
ソーダ・・・適量

【作り方】
氷を入れたグラスにソーダ以外の材料をステアし、ソーダを静かに注ぐ。

ウイスキーの香りの中にレモンとライムが利いて実に飲みやすいカクテルだ。砂糖やグレナデンシロップも入ってはいるが、レモンとライムの酸味で甘みはほとんど感じない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



■ジョン・コリンズ【John Collins】
【材料】
ウイスキー・・・35ml
モンジュース・・・20ml
砂糖・・・2tsp.
ソーダ水・・・適量
スライスレモン・・・1枚
ドレンチェリー・・・1個

【作り方】
ウイスキー、レモンジュース、砂糖をコリンズグラスに注ぎ、砂糖を溶かす。ソーダを注いで軽くステア。カクテルピン(今回は竹製使い捨てカクテルピン)にレモンとドレンチェリーを刺して飾る。

 なんでもこのカクテル、元々ジンベースで作られており、今ではウイスキーベースのこのカクテルをジョン・コリンズと呼び、ジンベースの物をトム・コリンズと呼ぶのだとか。
 冷静に考えればウイスキーで作ったレモンスカッシュ。さらに冷静に考えればレモンを絞ったハイボール。爽やかなレモンスカッシュとウイスキーの相性が非常に良い。ジョン・コリンズよりもレモネードしてるかもしれない。

■ホットウイスキー・トディ【Hot Whisky Toddy】
【材料】
ウイスキー・・・45ml
砂糖・・・1tsp.
お湯・・・適量
スライスレモン・・・1枚
クローブ・・・2~3粒
シナモンスティック・・・1本

【作り方】
耐熱グラスにお湯を少し注ぎ、砂糖を溶かす。ウイスキーを注いだ後、お湯でグラスを満たす。スライスレモン、クローブ、シナモンスティックを入れる。

 時期が時期なのでこんなのもやってみた。ウイスキーに砂糖を加えて水で割ったものを"トディ"と言い、お湯割りを"ホット・トディ"と言うそうだ。
 ウイスキーのお湯割りはたまにする飲み方なのだが、今回はレシピに習ってクローブとシナモンスティックを加えてみた。レモンや香辛料で洋菓子のような独特の香りがつく。"ホットトディ"自体は香辛料を加えなくとも成立する飲み方らしいが、香りをつけて飲んでみるのも気分が変わっていいかもしれない。

■エッセリング【Esseling】
 アイスクリームとの相性も抜群だ。ウイスキーボンボンに似た、洋菓子のような風味と後味が味わえる。







                  ■まとめ■
 味、香り共にフルーティで甘みとやや酸味も強い。水、ソーダ、コーラなどいろんな割り材と相性がよく、それぞれに違った魅力を見せてくれる、非常にバライティにとんだうま味を持つウイスキーだ。昔から多くの著名人が愛飲してきたという前評判は伊達ではなかった。
 値段がやや高めというのがネックになるところだが、値段以上の内容と言えよう。
 素晴らしい。







 

オールドパー公式サイト
https://oldparr.jp/

オールドパーYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdHVq_KCQaU4QVdaGSvBsZQ/videos