【酒】第20回 お酒初心者による『ペルノ・リカール社 ペルノ』の感想【薬草系リキュール】

名称
PERNOD
(ペルノ)

酒類
薬草系リキュール
(アニスリキュール)

度数
40%

製造・販売
Pernod Ricard
(ペルノ・リカール)



 実は今回のペルノ自体は去年の夏ごろに買って、一通りいくらか試して写真も撮ってはいたんだけど・・・。味があまりに複雑すぎて文章にできず、ズルズルと半年以上放置していた。

 が、いいかげん手をつけにゃいかんと思い、今回再チャレンジするに至った。


 さて、このペルノというお酒だが、お店なんかでは『薬草リキュール』の棚に置いてあることが多いお酒だ。
 そもそも、ペルノはアブサンというリキュールが発禁になった時代に代用として愛飲されていたものらしい。
 そしてそのアブサンなるお酒、多数の香草をを原料にしているのだが、原料のニガヨモギに含まれているツヨンという成分に幻覚作用があり、それを原因とする殺人事件もおこってしまい、世論の影響もあり1898年から徐々に世界で発禁し始めた。

 そんな中でアブサンの代用として愛飲されていたのが、アブサンを模して造られた『パスティス』という酒類のリキュール。
 今回紹介するペルノもアブサンの代用として愛飲されていたお酒ではあるが、とあるブログサイトによると、厳密にはパスティスではなく、アニス酒だという。(公式サイトにも『アニスリキュール』と表記されている。)

 そのブログ記事によると以下のとおり。

 EUヨーロッパ連合)の規定では、原材料にアニス、スターアニスフェンネルを使い、アルコール度数40%以上のものをアニス酒とし、リコリスの他に、アニスやディルを使い、アルコール度数40%以上のものをパスティスとしています。

 うむ、完全に理解した。

 ともかく、ペルノは厳密にはパスティスではないが、アブサンに味も特徴も似ているのでパスティスとして分類されることが多い、とのことだ。

 さて少々長くなってしまった。私にとってはリベンジになるが、早速飲んでいこう。


■ストレート[Straight]



 まずは香り。・・・・・・うむ、久しぶりに嗅いでみてもまことに感想に困る香りだ。なぜ困るのかというと、例えようが無いからだ。いや、マジで。
 というか、身近に例えられるような香りが特に無い。フルーティとか、ベジタブルとか、何ならよもぎ餅のようでもない、薬品のようでも、アルコール臭が強いわけでもなく、強いて言うならそれがペルノの香りだとしか言いようが無い。
 ただ、その香りはまさにクセの塊で、「9割の人が眉をひそめる」というどこかで聞いた言葉もうなずける。
 肝心の味の方だが、なるほど、少し青臭さが感じられるかもしれない。そして言われてみれば“草”っぽいのかもしれない。さらにアルコールは40%だ。非常にきつい。それでも甘みは感じられる。が、香り同様クセの塊で、大いに人を選ぶ味だ。
 
■クラシックスタイル[Classic Style]

 『クラシックスタイル』という名前はネット上で見た名前を参考にした。本来は専用のサーバーとアブサンスプーンという穴の開いたバターナイフみたいなものを使うのだが、どっちも無いのでアブサンスプーンはバターナイフで代用。・・・・・・い、いや、形が似てるからね・・・・・・。
 (ちなみにコレ(↓)がアブサンスプーンの一例。値段はピンキリだが、Amazon価格で安いもので300円から高いものでは1万円を超えるものまである。たけーなおい。

 つまり要は角砂糖を溶かしたトワイスアップ。ペルノ(アブサン)に対して水が1:1で割る。なお、本家のアブサンもそうなのだが、このペルノも水を加えると白く濁るのも特徴。なんでも、ファンの間ではこの濁り方も評価に入るのだとか。
 飲んでみての感想だが、確かにストレートよりは飲みやすい。のどへの刺激が無くなり、味も多少マイルドになった。しょっぱいおつまみと一緒なら酒が進みそうな予感がする。
 が、そもそも独特すぎるクセの塊なのは相変わらずなので、やはり人を選ぶ味と香りだろう。

 この飲み方についてもうひとつ、アブサンスプーンの上の角砂糖を燃やす「ボヘミアンスタイル」という飲み方もあるそうだが、そちらはどうも人によっては邪道らしいので、今回はやらないことにする。

■ビクトリー・ハイボール[Victory Highball]
【材料】
アブサン・・・45ml
グレナデン・シロップ・・・15ml
ソーダ・・・Full up
 
【作り方】
氷を入れたタンプラーにグレナデンシロップ、ソーダを加え、軽くステアする。
 
 これ本来はアブサンでやるんだけど、今回はペルノで代用。
 あー、これは確かに。炭酸でだいぶ飲みやすくなってるわ。グレナデンシロップも程よく甘みをプラスしていい仕事してる。何がビクトリーなのかよくわからんが、これは割りといいかもしれん。

 あと、今気づいたけど、表面の油分がすげぇ・・・。









■ペルノトニック[Pernod Tonic]
【材料】
ペルノ・・・30ml
ライム・・・1/8

【作り方】
氷を入れたタンプラーにライムを搾りいれ、ペルノ、トニックウォーターを注いで軽くステア。

 ネット上で見つけたレシピにはライムを搾りいれると書いてあったが、今回はライムジュースで代用。本当は本物のライム使った方が香りがいいんだろうけどねー。
 これはビクトリーハイボールよりさらに飲みやすい。ペルノの香りはほのかに残る程度。クセのある味も一緒にトニックウォーターとライムで爽やかに。それでいてペルノの特徴はしっかり残っている。
 なんとまあこりゃあ美味いぞ。








■アースクエイク[Earthquake]
【材料】
ドライ・ジン・・・25ml
ウイスキー・・・25ml
ペルノ・・・25ml
 
【作り方】
全ての材料をシェーカーでシェークする。

 今回はジンにボンベイサファイアウイスキーにフォアローゼズを使った。
 うむ、確かに刺激が強い。ジンの香りとペルノの風味が混ざり合ってスッとキリッとした感じだが・・・ウイスキー、どこ行った?ちょっとウイスキーの存在感が薄いかもしれない。選ぶウイスキーによるのかな?
 材料を見ても分かる通り、3つの材料が3つともだいたいアルコール度数40%越えのお酒ばかり。使用したお酒の度数がダイレクトに度数に反映される。
 かなり辛口のカクテル。ちなみに今回ペルノを購入したのは(今回っていうか購入自体はだいぶ前だけど)、このアースクエイクを作りたかったから。そして最初に見たレシピにアブサンではなくペルノと書かれていたから。

アブサン・エッグ[Absinthe And Egg]
【材料】
アブサン・・・45ml
ドライ・ジン・・・45ml
卵白・・・1個分
砂糖・・・1tsp
 
【作り方】
材料をしっっかりとシェークする(砂糖が溶けきるように)。

 こちらもビクトリーハイボール同様、ペルノをアブサンの代用として使用。
 材料的にはアースクエイクからウイスキーを引いて、卵を足した感じ。砂糖が入っていることもありアースクエイクよりは甘口だ。そして卵白が入っているのでアースクエイクよりはまろやかだ。そして表面がアワアワ。





 たしかにアースクエイクよりはクセが抑えられているように感じる。
 ただ、量的には40%以上のお酒が90ml。上記のアースクエイクは3種類でも合計75ml。分量通りに作ったならこちらの方が量的にきついお酒かもしれない。
 
■エッセリング[Esseling]
 うーむ、これは困った。アースクエイクにアブサン・エッグに続いて食べてるもんだから酔っぱらって味がぼやけてる・・・・・・。やっぱあの2杯キツイわ・・・。
 でもあれだ。最初は苦みが強いんだけど、アイスがちょっと溶けるとちょうど良くなるね。ペルノとバニラって結構合うかも。
 いや、ほんと酔っ払って味とか感じないんだって。さらに冷凍庫で冷やしてるもんだから香りも失せちゃってるんだよね。

















■総合感想
 さて、今回のペルノ。初めての薬草系のリキュールだったわけだけど、正直私の語意力ではクセの塊としか言いようがないのが残念。強いて言うのであれば、それが草の味と香りなのかな、と。
 正確にはアニス酒とは書いたものの、アブサンの代用として飲まれていたのだから、味はニガヨモギの味に似ている、のだろう。そしてとにかく味も香りも主張が強いのが特徴。ゆえにクセが強い。それ故なのか、使われているカクテルのレシピを見ても、1dashという表記は多い。
 とにかく正確に「何みたい」と自分の実力では表現できないのが一番辛いところ。ウイスキーとはもちろん違うし、ジンの香草のようなスッとした感じとも違う。もっとずっしりと攻めてる感じの味と香りだ。正直、私の今の実力ではその特徴を『独特』としか表現できない。
ただ、最初は苦笑いしか出ない味だった。が、今回何倍か飲んだおかげで、オレはクセになりつつあるぜ!!
 


ペルノ・リカール・ジャパン公式サイト
http://www.pernod-ricard-japan.com/brands/

文章参考(BAR LOG)
http://blog.livedoor.jp/davidbatt/archives/50479409.html
 

ペルノトニックレシピ参考(COCKTAIL BIYORI 
http://iwamoto-hiroyoshi.com/cocktail/160919/