【酒】第48回 酒の味もわからないクセに『ハイアルコールスピリッツ 65%』を飲るという話し。【ウォッカ】

【品名】 High Alcohol Spirits 65%
酒類ウォッカ
【度数】 65%
【製造販売】 中国醸造


■『緊急事態』で発売された
          高度数のウォッカ

 昨今の騒動で度数の高い酒が消毒用アルコールの代用品として使用されている。初めのうちは、酒店に行けば大体何本か鎮座しているスピリタス(96%のピュアウォッカ)が完売しているという(というか、今も酒売り場であんまり見ない)。他にも度数の高い酒が消毒用として売れに売れているという話しをニュースで聞いた。初めてそれを知った時は、正直に白状すると苦笑してしまったものだ。だが、消毒液が手に入りにくくなっている現状、そういう方向に世の中が進んでいるのは事実で、各酒造メーカーも『ハイアルコールスピリッツ』という品名で急遽製造販売しているという状況。

 しかしまあ、消毒用の需要を受けて販売されているとはいえ酒は酒。酒造メーカーが製造しているということは当然『飲れる』ということだろう。ラベルにも「ウォッカ」って書いてあるし。と、なると酒飲みとして気になるのは当然、味でしょ。
 ということで、今回は偶然見つけたハイアルコールスピリッツで一杯飲ってみることにする。

■ストレート【Straight】■
 グラスに鼻を近づけるとうっすらとだがアルコールの匂いが刺さる。刺さる、というか、匂い自体は消毒用アルコールそのもの。飲んだ感じは、消毒液臭の嫌な予感とは裏腹に、割りと抵抗がない。
 流石に絶品とまではいかないが、緊急で商品化したようなお酒なので、もっと辛味や苦味が強いものかと思ったら、特にそんなことも無い。

オンザロック【On the rock】■
 氷で冷やすとやや飲みやすくはなるが、やはりアルコール臭は少し気になる。偶然冷蔵庫にライムがあったので少し切って絞って落としてみたが、これは正解。飲み
             やすくなり、非常に美味い。

スクリュードライバー【Screwdriver】■

冷蔵庫の中に常備してあるオレンジジュースで割ってみた。うん、いいね。美味しく出来てる。今回は度数が高めなので少しウォッカを少なめにしたが、やはり少なめで正解だったようだ。強めが良ければ通常通りの分量でいいかもしれない。

■ホッピー割り【Hoppy】■
 偶然、ほんとにたまたま偶然に冷蔵庫の中にホッピーがあったので、せっかくだからホッピーでも割ってみた。
 当然といえば当然だが、ビール”みたい”にはなった。特に変な苦味や匂いもなく、アルコール入りのホッピー。美味い。




■まとめ■

 今回は買い物に出た時に偶然置いてあるのを見つけて急遽飲ってみたので、家にあるありあわせのもので軽く飲る程度になった。
 正直、今回の騒動で急遽商品化されたものなので、いつか飲ったスミノフみたいに飲めないほどにアルコール臭が強い(あれは本当に消毒用のアルコール並のキツさがあった)ものかと思っていた。が、実際に飲ってみるととんでもない。絶品とまでは行かなくとも、1000円強ほどの価格帯に十分な品質であった。つまり、美味い。
 度数が高いウォッカで喉を温めたいならストレートやロック(レモンやライムを絞っても良いかもしれない)で、各種ジュースで割ってロングカクテルでと、ごく普通のウォッカと同じ飲りかたで楽しめる。度数が高い分割材を薄めない、ノンフレーバーのウォッカなので余計な味が加味されないので実に使いやすい。
 今は騒動の真っ最中なので、消毒目的で購入する方が多いだろう。騒動が収まり、ハイアルコールスピリッツが余っていたなら、いろんなドリンクで割って飲んでみてはいかがだろうか。捨ててしまうよりは断然良いのではないだろうか?ダッテモッタイナイジャン?

 なお、この記事を書いている5月1日22時現在、国税庁から臨時的な特例により「飲用不可」等の消毒用とわかる記載がラベルにあれば酒税の課税対象から外すとの発表があった。つまり、5月2日以降に製造されたものは「飲用不可」等の表記が付記される可能性があるかもしれない。
 もっとも、メーカーコメントなどに「本製品は酒類に分類されるが消毒用エタノールの代用品として使用可能(要約)」、「味や香りにクセのないクリアなスピリッツです」と飲酒用であることが明記されているのでそれはないとは思うが・・・。

中国醸造公式サイト
https://www.chugoku-jozo.co.jp/